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FGO SS2(Fate SS) 盾の英霊と脳筋の英霊といじられの英霊 act.2

なんかシュールな内容になってきた。

続きからどうぞ。



「ジャンヌオルタ殿ォォォオオオオオっ……!!!!! 慎重にっ……慎重にお願いしますぞぅぉぉぉああああああっ……!!!!!!」
「この呪いがヤバいのは間違いないけど、あんたは脅えすぎ! 大の男がぴーぴー泣くかないで! そっちの役立たずなんて顔色一つ変えないんだから!」
「まぁ、これでもそこそこ色々な目にあってきたからね……」
「ジャンヌオルタさん! まだ先輩を罵倒して……! ブーディカさんにお願いして、ご飯をジャガイモオンリーにしますよ! 先輩に謝ってください!」
「はいはいどうせ私は田舎娘よ。というか、ジャガイモ美味しいから、別に構わないし」
「先輩! ジャンヌオルタさんが反抗期の娘のようです!」
「マシュ、どーどー落ち着いて」

 そんな会話をしている内に、廊下の最深部……扉の前に到着した。
 何の変哲も無い扉である。金具のドアノブ。扉は木製。特に異常は無い。
 だが、扉を前にしたジャンヌオルタは、苦々しく顔を歪めて、口元を押さえた。

「人の事言えた義理じゃないけど、酷い憎悪ね……」
「開けられそう?」
「ええ」

 ジャンヌオルタがドアノブを掴む。だが、回らない。

「鍵が?」
「みたいだけど……壊そうと思えばいけるわ。まぁ、お薦めはしないけど」
「やっぱり呪われそう?」
「水でいっぱいになった風船を突くのって、勇気要るわよね? そういう事よ」

 肩を竦めたジャンヌオルタが背後を振り返る。彼女の視線の先には、別の扉があった。
 廊下の壁にある扉。数は二つ。こちらもとりたてて何の事は無い、平凡な扉である。

「手分けしてこっちを当たるわよ。あんたは私と」
「私が先輩と行きます。ジャンヌオルタさんはレオニダスさんとお願いします」
「テルモピュライっっっっっ!!!!!!!! エノモタイアァアアアアアアアアっっっっっっっ!!!!!!!!」
「なんで宝具を使うのよ敵もいないのにっ!?」
「怖いからですっっっっっ!!!! 他に理由など、ぬぅぁあああああいっでっすぅっっっっっっ!!!!!!」
「なんなのバカなの死ぬの!?」
「ほら、私の筋肉の炎で明るくなりましたぞっっっ!!!!!!」
「あーもうバカだったし、とっくに死んでるわね! はいはいごめんなさいっ!」

 狭い廊下で器用に旗を振り回したジャンヌオルタがレオニダスをブン殴って、大股で別の扉に歩み寄る。そのまま苛立ちをぶつけるように蹴り破って、部屋の中へ入っていった。

「むぁってくださいジャンヌオルタ殿っっっっ!!!!! 冷静に往かねば勝てる戦も勝てませんっっっっ!!!!!」

 レオニダスが、どたどたと後に続く。
 そんな二人を見送ったマシュは、咳払いをすると、改めて先輩に向き直って、彼に手を差し出した。

「何かあって離れると危険ですので」
「うん、そうだね」

 特に躊躇う素振りも見せずに、先輩がマシュの手を握る。
 こんな非常時であるにもかかわらず、胸が高鳴る。廊下を進んでいる時もそうだったのだから。
 頬が軽く熱くなるのを自覚しつつ、マシュはジャンヌオルタとレオニダスが消えた部屋の隣にある扉に足を向けた。

「でも、あの二人、大丈夫かな?」
「今のレオニダスさんに日頃のメイン盾パワーは期待するのは些か酷かと思われますが、それでもカルデアが選ぶ春の盾持ち英霊第一位です。ジャンヌオルタさんもいらっしゃいますし、非常事態にも対処できると思われます」

 そう。今のレオニダスの心理状態を考慮すれば、先輩と組ませるのは得策ではない。では自分と組んでドヤ顔ダブルシールドを展開する、という考えもあったが、有事の際に先輩を守るには盾が必要だ。ジャンヌオルタは超攻撃特化の反英霊。お世辞にも守りは厚いとは言えない。
 であれば、自分が先輩と組むのが戦術的にも正しいという事になる。
 つまり、そういう事なのだ。これは極めて戦術的な観点からの結論である。邪な思惑など、一切介在していない。

「さぁ、行きましょう先輩!」
「マシュ、なんでキラキラなドヤ顔してるの?」

 先輩の鋭いツッコミも健在だ。この調査、問題無く乗り越えてみせよう。
 どうでもいいが、カルデアに戻った後、ブリュンヒルデはどうするんだろう。後でドクターに彼女の状況を聞いておかないと。帰還と同時に再びレイシフトはご勘弁願いたい。



 扉は問題無く開いた。

「……リビング……ですか」

 広くもなければ狭くもない、平凡なリビング。そして、リビングと繋がったキッチン。
 ソファやテーブル、テレビ等、目立っておかしな点は無い。東の方角には大きな窓があって、厚い遮光カーテンで閉じられている。

「マシュ、俺はキッチンを見る」
「はい。お気をつけて」

 エネミーの気配は無。気配遮断のスキルを持つサーヴァントが潜んでいるのなら話は別だが、どうにも、ここはそういうモノがいるような空間ではないように思える。
 デミ・サーヴァントであっても、マシュはサーヴァントだ。英霊が持ち得る第六感のようなモノがある。アルトリアが持っている直感のスキルのような立派なものではない。あくまでも勘である。
 その勘が、ここは普通の英霊が存在できる場所ではないと語っているのだ。
 慎重に家具を調べる。特に異常は無い。試しにテレビをつけてみたが、いずれのチャンネルも電波を受信していないようだった。

「とりあえず、電気は生きているようですね」
「水道も出る」

 先輩の声に肯きつつ、マシュは窓に歩み寄った。
 盾を構えつつ、カーテンを開ける。窓の向こう側が分かれば、別の情報も──。

「え……?」

 窓ガラスはあった。
 だが、その向こう側には、何も無かった。
 何も無い。黒以外に、何も無い。
 夜闇の黒ではない。
 吸収した光を一切逃さないような、途方も無い、途轍もない、純真無垢なまでの、黒。
 得体の知れない薄気味悪さに吐き気を覚えながら、マシュは窓を開けようとして。

「開かない……!?」

 鍵はかかっていないのに。ピクリともしない。それこそ、窓ガラスの形をした壁でも動かそうとしているような手応えの無さだった。
 一体何なんだ、この部屋は。いや、この空間は──。

「ドクター、応答してください。この時代、この場所について、どんな些細な情報でも構いません、大至急調べてください!」
「マシュ! 敵だっ!」

 先輩の警告と同時に、マシュは床を蹴る。
 彼女の軌跡を、何かが貫いた。
 先輩の眼前に滑り込んだマシュは、盾を構え、呼気を整える。

「ゴーストタイプのエネミー……!」

 人体骨格の残骸がボロ布をかぶったようなそれは、薄紅色に淡く明滅していた。
 眼球が収まる場所には当然ながら何も無く、底の見えない黒い空間が、マシュ達を捉えている。

「先輩、指示をっ!」
「敵は一体だけだ、速攻撃破──」

 先輩の指示を塗り潰すように、床から大量のゴースト達が出現してゆく。
 その数は──途中から数えるのをやめた。

「逃げるぞっ!」
「りょ、了解っ!」

 先輩がガンドを連射し、マシュが前方を遮るゴーストを盾で薙ぎ払い、二人は転がり出るようにリビングを出た。
 同時に、隣の部屋からも、ジャンヌオルタとレオニダスが飛び出してきた。レオニダスは勢いを殺せずに対面の壁に激突する。顔面を全力で強打したらしく、盾も槍も投げ出して、顔を押さえてのた打ち回る。

「むぅだむぅだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!!!」
「いたたっ……レオニダス、あんたねぇっ! 殿の矜持はどうしたのっ!?」
「ジャンヌオルタ! レオニダス! もしかして、そっちにも!?」
「ウジャウジャ出たわ! あんなの、まともに相手できるはずないじゃない!」
「いや、ゴーストランタン大量ドロップのチャンスが……!」
「先輩、お願いです、冷静に判断してください! そういうレベルの数じゃないです!」

 マシュの悲鳴を皮切りに、二つの部屋からゴースト達が現れる。手狭な廊下で無ければ、すでに包囲されていたに違いない。

「マシュ、あんたが前に出なさいっ! レオニダスはもうダメ!」
「私には知恵があるいいか幽霊なんてものはこの世に存在しない何故なら人は筋肉でできているからだ筋肉のない幽霊が存在できるはずがない存在しないのならこいつらは一体なんだこの大軍勢はなんなのだいやいや落ち着け私には知恵がある」

 確かにもうダメだった。
 燃え上がるヘルメットの奥底で勇猛な輝きを放っていた鋭利な相貌は、すでに光を失っていた。

「マシュ、ロードカルデアスっ!」
「了解! 宝具、展開しますっ!」

 両足を肩幅以上に広げ、その場に楔を打ち込むように腰を落とし、両手で盾を振り翳した。
 全身の魔力を盾へ。ただ大切な人を守りたいというオモイを、眼には見えないカタチへと昇華させる。
 淡い光が溢れ、殺到していたゴースト達が一斉に弾かれた。

「先輩、ロードカルデアス展開中に、状況の打開案を……!」
「分かってる! ドクター! さっきマシュが言った、この時代とこの場所に関する情報は……!」
『───』

 仮想ディスプレイは、リビングにあったテレビと同じだった。すなわち、無音の砂嵐である。

「っ……! ジャンヌオルタ、そっちの部屋には何があった!?」
「特に何も! 広い書斎だったわ! 調べたけど何も無し! カーテンを開けたら、外は完全に黒一色で窓は開かなかった!」
「こちらと全く同じ状況だったようですね……!」

 先輩がゴースト達の方を見る。彼らの背中の向こう側には、玄関扉がある。

「この家そのものが空間から孤立してる……? だとすれば、玄関に行っても扉は開かない。家の外には逃げられないか……!」
「となれば……!」
「戻れないなら、進むしかない。ジャンヌオルタ、あの奥の扉は開けられるよね!?」
「ええ。でも、さっき言った通り、水でいっぱいになった風船を突くようなものよ。水浸しになるくらいならいいけれど、中が硫酸とも限らないわ」
「どの道、ここにいても彼らの仲間になるだけだ。行こう」

 先輩がコワれたお坊さんのようにブツブツ呟き続けるレオニダスを支え、マシュがゴースト達を警戒する。
 廊下最深部の扉の前に立ったジャンヌオルタは、旗を振り抜き、穂先の刃をドアノブへ叩き込んだ。
 騒音と共に、砕けた扉が部屋側へ吹き飛ぶ。

「先輩! ロードカルデアス、終了します!」
「急ぎなさい!」
「でも、扉が壊れちゃってるけど!?」

 ジャンヌオルタが部屋へ先行。彼女の背中を追うように、レオニダスを支えた先輩が転がり込む。
 最後にマシュがゴースト達の追撃を振り切って飛び込んだところで、破壊された扉が、動画の巻き戻し再生のように再生した。
 喧騒が波を引いたように消えた。マシュ達の荒々しい息遣いの他には、何も聞こえない。
 大した運動もしていないのに、酷い疲労感に苛まれる。

「先輩、お怪我はありませんか?」
「ああ、大丈夫。マシュは大丈夫みたいだね。レオニダスとジャンヌオルタは?」
「私には知恵がある」
「まぁ、大丈夫みたいね」

 どうやら全員無事らしい。
 マシュは盾を構え直しながら、室内に視線を巡らせた。
 そこは、リビングだった。
 そう、リビングである。
 構造はマシュと先輩が二人で調べて、大量のゴーストタイプに追われた、あのリビングとほぼ同じだ。家具の位置も、種類も、そのままである。
 不意に、言いようのない恐怖に襲われる。背中がぞわりとして、産毛が逆立った。例の勘が、この空間は危険だと騒ぎ立てている。

「先輩、ここは、危険です。なんというか、物凄く、嫌な予感がします……!」
「……当然よ。ここ、この家の呪いの中心だもの」

 事も無げに言ったジャンヌオルタの横顔には、しかし、血の気が無かった。
 ここが、家の呪いの中心。仕方が無いとは言え、虎の口の中に自ら飛び込んだという訳だ。
 息苦しさが増してくる。真綿で首を絞められているような感覚だった。吐き気がしてくる。視界が歪む。こめかみがキリキリと痛み、立っているのもままならない。
 マシュが唇を噛んで耐える中、先輩が動いた。険しい表情で、テーブルの上に置かれていた何かを手に取る。

「それ、は……磁気テープ?」
「VHSって、古い映像記憶媒体だよ。ビデオテープ」

 ラベルは何も貼られていない。ブランクのビデオテープだ。
 だが、さっきリビングを調べた時、あんなものは無かった。
 テーブルの上には、テレビのリモコンしかなかったのだ。それは調べたマシュが知っている。

「先輩、不用意に、持ってはダメです……もしかしたら、呪いと何か関係が……!」
「マスター、マシュの言う通りにしなさい。それは、呪いの根源よ。すぐに、手を離して……!」

 マシュとジャンヌオルタの声は、しかし、先輩には届いていない様子だった。
 彼はマシュ達に振り返る事は無く、無言のまま、テレビの電源をつけた。そうして、やはり先ほどのリビングには無かった、古ぼけたビデオデッキに、そのビデオテープを挿入した。
 モーターと細かい金属部品が複雑に噛み合う音がする。砂嵐だったテレビがぶつっと鈍い音と共に黒一色となって、一瞬の沈黙の後、映像を出力した。
 映し出されたのは、森だった。秋口あたりか。地面には枯れ葉が積もっている。画面の中央には古い井戸があった。解像度は劣悪の一言で、音はまともに聞こえない。

「先輩、いけない! それは……それは見てはいけませんっ!」

 理由は分からなかった。何故、この映像を見てはいけないのか、理論的に説明する事はできない。
 また勘だ。でも、多分、正しい勘だと思う。
 何故なら、これまで獲得して研鑽してきた戦闘経験が、全力で警鐘を鳴らしているからだ。
 先輩に向けて、マシュが飛び出す。その瞬間、画面が変化した。
 古井戸から、何かが出てきた。
 黒と白の何か。
 黒は髪だった。
 白は服だった。
 何かは人間だった。
 黒く長い髪で顔面を覆い尽くした、白い服の人間が、緩慢な足取りで、画面に向かって、歩いてくる。
 吐き気に耐え、マシュは先輩を突き飛ばし、テレビ画面の正面に躍り出た。

「先輩、すいません! でも……!」
「マシュっ! 逃げなさいっ!」

 ジャンヌオルタの悲鳴のような警告に、マシュは顔を正面──テレビの方へ向けた。
 テレビ画面の中にいたはずの、あの黒と白の人間が、眼前に佇んでいた。

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Author:ケイン
ゲーム会社勤務のシナリオライター。
趣味はサバゲー。

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